テスラ(Tesla)の株価は、2025年5月30日にワシントンD.C.のホワイトハウスで行われた記者会見での発表を受けて、木曜日のオープン前取引で6%下落しました。これは、会社が2四半期連続で自動車販売の減少を報告したためです。
テスラは第二四半期の業績結果において、売上高と利益の両方で予想を下回ったことを発表し、自動車収益が前年同期比で16%減の167億ドルに達したことを報告しました。
イーロン・マスク(Elon Musk)CEOは、四半期ごとの厳しい状況が続く可能性があると述べており、その理由として連邦の電気自動車税控除の期限切れを挙げました。マスク氏は「必ずしもそうなるとは言えませんが、その可能性はある」と述べています。
テスラは、中国やヨーロッパなどの重要市場で競争が激化しており、特に低コストの中国製電気自動車が台頭しています。また、ヨーロッパ自動車製造業者協会(ACEA)が発表したデータによると、テスラの新車登録数は6月にヨーロッパで減少しました。
2023年現在、テスラの株価は年初から18%近くの下落を記録しており、木曜日のオープン前の動きを除いても依然として厳しい状況が続いています。
さらにテスラのコア自動車事業が圧力を受ける中、マスク氏の政治活動にも注目が集まっています。彼は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権下の政府効率化省(Department of Government Efficiency, DOGE)で重要な役割を果たしました。また、ドイツの極右政党AfDに支持を表明しており、最近ではトランプ政権の歳出法案に対して対立が見られています。マスク氏は自身の政治党を設立する意向を示しています。
一部の投資家は、マスク氏が政治から手を引くことを求めており、彼の関与がテスラのブランドや売上に悪影響を及ぼす懸念を表明しています。テスラの投資家たちは、古くなったラインナップを刷新し、販売を活性化させるための低価格モデルの導入を期待しています。テスラは、6月により手頃なモデルの限定生産を開始し、年の後半に生産を増やす計画を示しています。
しかし、2023年残りの見通しは不透明で、テスラは公式な業績見通しを提供していません。前半ではテスラの成長回帰が示唆されていましたが、現在はその期待が薄れているとの見解が示されています。
モーニングスターのシニアエクイティアナリスト、セス・ゴールドスタイン(Seth Goldstein)氏は、水曜日のノートで「経営陣は2025年の成長予測を示していましたが、今回の見通しがないことは経営陣がもはや成長を見込んでいないことを意味すると理解しています。このことは2025年の出荷台数が減少するという我々の見込みと一致します」と述べています。



