アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領と保守系メディアの大物であるルパート・マードックの間で、新たな法的合意が形成されました。この合意では、トランプ大統領がマードックの健康状態の定期的な情報を受け取ることが明記されています。これは、トランプ大統領がマードックを相手取った100億ドルの名誉毀損訴訟の証言を延期するためのもので、訴訟は「ウォール・ストリート・ジャーナル」誌に掲載された故ジェフリー・エプスタインに関する記事が発端です。
トランプの弁護士たちは、マードックが裁判の際に生存しているか、あるいは健康上の問題で出廷できない可能性があると述べています。マードックは94歳であり、健康上の問題を抱えているとの報告もあります。
この合意は、トランプの弁護士とマードックの弁護士によって共同で提出され、裁判官ダリン・ゲイルスがトランプの訴訟の棄却申し立てに対する判断を下すまでは、マードックの証言は延期されることになります。もし裁判官がこの棄却申し立てを却下した場合、マードックは30日以内にトランプの弁護士からの質問に対して証言を行う必要があります。
また、合意には証拠共有の手続きが中止されることも含まれています。これは、民事訴訟手続きの中で関連する証拠を交換し、証人からの供述を取る段階を指します。裁判官がこの合意を承認することが期待されており、マードックは裁判官の承認後3日以内に自らの健康状態についての宣誓書を提出する義務があります。
さらに、合意文書によれば、マードックはトランプに対して健康状態の定期的な更新を提供することに同意しています。この合意内容に従わない場合、マードックは「迅速な」証言を行うことが求められる可能性があります。
トランプ大統領は、この名誉毀損訴訟について「ウォール・ストリート・ジャーナル」に掲載された虚偽の情報に対して法的手続きを進めていることを示しました。訴訟の中で、彼は自身がエプスタインに送ったという誕生日カードの内容を否定しており、マードックのメディア企業であるニュース・コープやそのCEOであるロバート・トンプソン、記事を執筆した記者たちに対しても訴訟を起こしています。
この訴訟は、トランプとエプスタインとの関係や、それに伴う司法省による捜査ファイルの公開を拒否する決定に対する批判が続いている中で発生しました。これにより、今後の動きが注目されます。



