アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領は、インドとの貿易関係について「完全に一方的な失敗である」と再び批判し、インドのナレンドラ・モディ首相が中国を訪問し、上海協力機構(SCO)サミットに出席したことを受けて、この発言を行いました。トランプ氏は、Truth Socialにおいて、インドが関税をゼロにする提案を行ったが「もう遅すぎる」とし、その提案がいつなされたのかは詳述しませんでした。
最近、アメリカはインドからの輸入に対して50%の関税を課し、ロシアからの石油購入に対して25%の追加関税を課しました。インド側はこれを「不公平で不当かつ不合理だ」と反発しています。トランプ氏は、インドがロシアからの石油や兵器を購入していることを指摘し、アメリカへの輸出には高関税を課す一方で、「大量の商品を売っている」と非難しました。
世界貿易機関(WTO)のデータによると、2024年にインドがアメリカからの輸入に課した平均関税は6.2%であり、対してアメリカがインド製品に課している関税は2.4%です。このことから、アメリカとインドの貿易関係は数か月前から悪化しており、20年以上にわたる関係改善が揺らいでいます。アメリカの官僚たちは、ロシアからの石油輸入に関連してニュー・デリーを厳しく批判しています。
インドの外務省は先月、「インドを批判している国々自身がロシアとの貿易を行っていることが明らかである」と述べ、アメリカや欧州連合の貿易に対して疑問を呈しました。さらに、インドは5月に鉄鋼、自動車部品、医薬品に関する「ゼロ・フォー・ゼロ」の関税取引を提案したとの報道もありますが、アメリカとの貿易合意には至っていません。
モディ首相は、8月31日から9月1日まで天津で開催されたSCOサミットにおいて中国の習近平国家主席と会談し、双方が「競争相手ではなく、パートナーであることの重要性」を確認しました。
BCAアクセスの最高戦略責任者マルコ・パピッチ氏は、「インドとの関係改善は重要な意義があり、インドが工業化を進めるために必要な重要な知的財産にアクセスできるようになる」と述べています。しかし、長期的には、アメリカは中国を敵として描くプロパガンダ戦において劣勢であり、それが多極化の進行を一層固めていると指摘しています。



