アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領が6月6日、ニュージャージー州へ向かうエアフォースワン内で記者団に対し、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席が希土類鉱物および磁石の対米輸出を許可したと発表しました。このステップは、世界最大の経済大国同士の緊張を和らげる可能性があると期待されています。
トランプ大統領は、記者の質問に「はい、彼はそうしました」と応じました。これは、数週間にわたる貿易問題の解決を目指した習国家主席との珍しい電話会談の翌日、行われた発言です。この会談の際、トランプ氏は「非常に前向きな結論に達した」と述べ、希土類製品の複雑さについての疑念はもはや存在しないと強調しました。
さらなる緊張緩和の兆候として、中国政府はアメリカの自動車メーカー3社に対し、希土類供給業者への一時的な輸出ライセンスを発行したとの情報もあります。トランプ氏の側近たちは、今週月曜日にロンドンで中国側とさらなる話し合いを行う予定です。
「中国との取引は非常に進展しています」とトランプ氏は金曜日に記者に語りました。両国は5月12日、スイス・ジュネーブで互いに課していた三桁の報復関税のほとんどを90日間撤廃することで合意しました。このニュースは、貿易の混乱を懸念していた金融市場を活気づけました。
しかし、中国が4月に幅広い重要鉱物および磁石の輸出を一時停止した決定は、自動車メーカーや半導体製造業者、軍需負担業者にとって必要な供給に混乱をもたらし続けています。トランプ氏は、中国がジュネーブ合意に違反したとして、チップ設計ソフトウェアやその他の物資の中国への輸出制限を命じましたが、中国側はその主張を否定し、報復措置を警告しました。
希土類およびその他の重要鉱物は、中国にとって重要な影響力の源泉であり、トランプ氏が経済成長の鈍化に伴い、国内の政治的圧力を受ける可能性があります。今年1月にホワイトハウスに戻って以来、トランプ氏は貿易相手国に対してさまざまな制裁措置を脅かしてきましたが、いくつかは直前に撤回しています。このような不安定なアプローチは、世界の指導者たちを困惑させ、企業幹部たちに不安をもたらしています。



