米国のドナルド・トランプ大統領が、スコットランドのタウンバリーにあるトランプターンベリーリゾートを訪問するためにスコットランドに到着しました。彼は、この訪問を通じてゴルフを楽しむとともに、イギリスのキア・スターマー首相および欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長との二国間の協議を行う予定です。今回の協議は、欧州連合(EU)との貿易協定に向けた重要なステップとなる可能性があります。
トランプ氏は、到着時に記者に対し、EUとの取引成立の可能性が50%と述べ、これは自身の政権にとって最大の貿易協定になる可能性があると説明しました。ただし、ブリュッセルとの間には「20の異なる事項」に関して依然として障害が存在することも認めています。スターマー首相との会談では、既存の貿易合意を祝う意味合いが強く、「これは双方にとって素晴らしい合意です」と語りました。
トランプ氏は、4月にほぼすべての貿易相手国に10%の関税を課した後、さらなる高い関税を予告しています。この動きは米国の貿易赤字を縮小し、収入を増やすことを目指していますが、一部の経済学者は新しい貿易政策がインフレを引き起こす可能性があると警告しています。
スコットランド滞在中、彼はターンベリーリゾートに宿泊した後、アバディーンにある別のゴルフ場を訪問し、母親にちなんだ18ホールのコースを開設する予定です。トランプ氏は今回の訪問を通じてスターマー首相やスコットランドのリーダーとの関係を深める機会にすることを目指しています。議題には、ロシアのウクライナ侵攻の終息や、ガザ地域の状況についても触れられると見込まれています。
一方で、トランプ氏の訪問に対してはスコットランド国内で反対の声も強く、約70%のスコットランド人がトランプ氏に対する好意的な意見を持っていないとの調査結果もあります。土曜日には、アバディーンとエディンバラで抗議活動が予定されており、警察が警戒を強めています。
トランプ氏は9月17日から19日にかけて、チャールズ国王主催の公式訪問のために再びイギリスに戻る予定であり、これは彼にとって現代において二度目の公式訪問となります。この訪問は、トランプ氏が2019年にエリザベス女王の招待でイギリスを訪れた際の公式訪問に続くものです。



