アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領が、日本と韓国に対して新たに25%の関税を発表したことが、アジア市場の重要な貿易関係に波紋を広げています。この関税は2025年8月1日から適用され、すでに自動車や鉄鋼製品に対する関税が課せられている両国にとって、更なる打撃となることが予測されています。
日本は2023年におけるGDPの約22%、韓国は44%を輸出が占めており、いずれの国もこの関税により成長が厳しくなることが懸念されています。特に日本は、二四半期連続の経済縮小、すなわち技術的な景気後退の可能性が高まっています。
トランプ大統領が発表した新たな関税は、日本のGDPを2026年末までに0.1ポイント低下させるとの見通しが示されています。オックスフォード経済の日本担当エコノミスト、山口則弘氏は、すでに高い関税による影響を受け、消費も鈍化している中で、この新たな影響を軽視すべきではないと警鐘を鳴らしています。
米国は日本にとって最大の輸出市場であり、2024年には21.3兆円(約1457.6億ドル)が日本から輸出されました。一方韓国は、同年に1278億ドルの輸出を行い、米国はその第二の市場となっています。韓国銀行は、2025年のGDP成長率予測を1.5%から0.8%に引き下げるなど、減速が明らかになっています。
トランプ大統領は、日本と韓国が米国の市場に対し、「これまで閉ざされていた」市場を開くことができれば、関税の見直しを「検討する用意がある」と述べていますが、交渉が進展しない場合、両国の成長は依然として困難な状況が続くでしょう。
マーケットは現在、この関税の脅威をやや冷静に受け止めている様子で、HSBCのエコノミストは、関税導入の最新ニュースが交渉によって縮小される可能性に注目することを示唆しています。日本と韓国の貿易関係は、今後の経済政策において重要な意味を持つでしょう。



