アメリカ合衆国および英国の国旗が、2025年9月12日にウィンザー城の外に設置されました。この背景には、アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプ(Donald Trump)の公式訪問が控えており、9月17日から19日まで英国を訪れます。
トランプ大統領の英国訪問は、英国政府が直面する様々な問題からの一時的な息抜きを提供することが期待されています。この訪問は水曜日から本格的に始まり、大統領とファーストレディのメラニア・トランプ(Melania Trump)は、ウィンザーにてチャールズ3世(King Charles III)とカミラ女王(Queen Camilla)をホストとして迎えます。この時期、英国のキール・スターマー首相(Keir Starmer)は政治的に厳しい状況に直面しています。
最近では、スターマー首相の副首相で親しい盟友であるアンジェラ・レイナー(Angela Rayner)が、家計税スキャンダルにより辞任し、大規模な内閣改造が行われました。さらに、彼はアメリカ大使ピーター・マンデルソン(Peter Mandelson)を解任しました。これは、大使が不名誉な金融業者ジェフリー・エプスタイン(Jeffrey Epstein)との関係を持っていたためです。
また、先週末にはロンドン中心部で10万人以上が参加する大規模な抗議が行われ、制御不能な移民問題に対する不満が表明されました。スターマー自身の労働党内でも、リーダーシップへの不安が高まっています。こうした中で、スターマー首相はトランプ大統領の訪問を利用し、英米の特別な関係を強調しつつ、素晴らしい歓迎を提供することで、国内の問題からの注目を外そうとしています。
英国は、長い伝統や儀式を通じて「ソフトパワー」を発揮し、米国大統領夫妻を感動させる準備が整っています。トランプ大統領にとって、これは初めてのロイヤルイベントではなく、彼は2019年にもエリザベス女王(Queen Elizabeth II)の招待で公式訪問を行っています。
水曜日には、ウィンザー城でチャールズ王とカミラ女王によるロイヤルサルートが行われ、その後、ウィンザーでの馬車行進が予定されています。また、大統領はエリザベス女王の墓に花輪を捧げ、アメリカのF-35軍用機とイギリスのレッドアローズによるフライバイが行われる予定です。夜には国賓晩餐会が行われ、王と大統領はそれぞれ講演を行います。
木曜日には、貿易が中心の議題となり、大統領はチェッカーズ(Chequers)でスターマー首相や貿易当局者、ビジネスリーダーたちとの一連の二国間会議を行う予定です。イギリスはトランプ政権との貿易協定の初国であり、現在は輸出品に対する10%の基準関税が適用されています。ロンドンはさらなる貿易協定を結ぶことを目指しており、特に技術パートナーシップやエネルギーが議題に上がっています。
また、イギリス政府は鉄鋼とアルミニウムの輸出に関する関税の引き下げに向けた合意を最終化することを目指しています。イギリスはアメリカ行きの金属輸出に50%の関税が回避され、25%が適用されたものの、さらなる引き下げを望んでおり、輸出量に関する合意を模索しています。木曜日には、首相と大統領による共同記者会見も予定されています。
スターマー首相は、国内問題からの好材料が必要です。現在、労働党やスターマーに対する支持率は低迷しています。9月8日に行われたYouGovの調査によれば、69%が政府に不満を持ち、支持しているのはわずか12%にとどまります。
労働党は来年5月の地方選挙がスターマーの政治的未来にとって決定的な要素となることが予想されます。昨年7月に獲得した圧勝の文脈を考えると、その党が再び議会で少数派に転落する可能性が高まっています。市場戦略家で元投資銀行家のビル・ブレイン(Bill Blain)は、スターマーについて「労働党はスターマーがリーダーではなく法曹であるため失敗している」とコメントしています。トランプ大統領がどれほどスターマーの支持率に注意を払うかは不明ですが、政府はトランプとの良好な関係を最大限に活かすことを考慮しているでしょう。



