ドイツ・デュースブルクにあるティッセンクルップ(Tyssenkrupp)の製鉄所では、2025年4月9日に赤く輝く鋼材が圧延ミルを通過しています。このたび、ティッセンクルップと労働組合IGメタール(IG Metall)は、ドイツ最大の製鋼メーカーの再構築に向けて、労働時間の短縮、ボーナスの減額、そして工場の閉鎖に関する合意に達しました。
この合意は、ティッセンクルップによる構造改革の重要なステップを示しており、同社は元々のドイツの産業アイコンから持株会社への転換を目指しています。これは、経営陣と労働代表者の間に再び緊張が高まった後の結果でもあります。
この新しい集団協定は2030年9月30日まで有効で、ティッセンクルップの製鋼部門であるTKSEのIGメタールのメンバーによる承認が必要であり、部門の今後の資金調達に関する合意が進行中です。
この合意は、ティッセンクルップが製鋼部門のTKSEにおいて最大11,000件の雇用が削減またはアウトソーシングされ、年間生産能力が1,150万トンから870万〜900万トンに減少する必要があるとの発表を受けてのものでした。
ティッセンクルップ労働組合の議長であり、グループの監査役会のメンバーであるテキン・ナシコル(Tekin Nasikkol)は、「私たちは痛みの限界にまで達し、雇用と拠点を維持するために本当に必要なところでのみ譲歩を行いました」と述べています。
ナシコルは、声明の中で「企業が自らの力で困難な状況を脱出するための条件を整えました」と述べました。ティッセンクルップは、夏までに再構築に関する合意に達することを望んでおり、両者は現在の合意を9月末までに最終化することを目指しています。
賃金交渉の達成は、ティッセンクルップがチェコの億万長者ダニエル・クレティンスキー(Daniel Kretinsky)にTKSEの追加30%の株式を売却する計画を進めるための重要なハードルと見なされています。クレティンスキーは、すでに持株会社を通じて20%の株式を所有しています。



