国連総会での重要な議論が行われ、イスラエルとパレスチナの間の二国家解決策が再び注目されています。2025年9月12日、ニューヨーク市の国連本部で行われた国連総会では、「ニューヨーク宣言」が承認され、イスラエルとパレスチナの間の約80年に及ぶ対立の解決に向けた新たな道筋を示しました。
この「ニューヨーク宣言」は非拘束力のある決議として、193の加盟国のうち142が賛成、10が反対、12が棄権する形で可決されました。この内容は、パレスチナ州の建設を支持し、イスラエルに対してそのコミットメントを求めるものですが、イスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相はこの決議に強く反対しています。
宣言はフランスとサウジアラビアによって提案され、最近実施された二国家解決策に関する高水準会議で合意されたものです。特に、ガザでの二年間に及ぶ戦争や、より広範なイスラエル-パレスチナ問題が、今月22日に始まる国連総会での主要な議題となる見込みです。パレスチナ側は、さらに10カ国以上にパレスチナ州を承認してもらうことを期待しています。
パレスチナの国連大使リヤード・マンスールは、この決議への支持が「平和の選択肢を開くための国際社会のほぼ全ての願望を反映している」と述べました。しかし、一方でイスラエルの国連大使ダニー・ダノンはこの宣言を演技に過ぎないとし、ハマスのみが利益を得るものだと批判しました。アメリカ合衆国もこの宣言と国連の決議に対して反対の姿勢を示し、紛争を終わらせる真剣な外交努力を妨げるものだと非難しています。
宣言は、2023年10月7日に南イスラエルで発生したハマスによる攻撃を非難し、イスラエルに対する攻撃やガザにおける民間人の大規模攻撃なども同様に非難しています。このように、双方に対する批判が含まれているのは特筆すべき点です。最終的に、明記はされていないものの、一方の不法行動がパレスチナ州の実現に対する存在的脅威であると指摘されています。
宣言は、停戦後にパレスチナ当局が全てのパレスチナ領土を支配することを求めており、ハマスは権力を放棄し、その武装をパレスチナ当局に引き渡すべきであるとの内容も含まれています。また、国連の監視下での国際的な安定化ミッションの配備を支持し、パレスチナとイスラエル双方に安全保障を提供することが期待されています。これらの提案が実現することで、二国家解決策の達成に向けた新たな一歩となることが望まれています。



