2025年6月21日、ベトナム・ホーチミン市のトゥドゥックにあるThai Son S.P. Co.の衣料品工場では、世界のクライアント向けの製品を生産するため、従業員が懸命に働いています。このたび、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領がハノイとの間で貿易協定を発表し、世界の注目がベトナムに集まっています。これは、ワシントンが相互の関税を強化する数日前の発表です。
この協定に基づき、アメリカはベトナムからの輸入品に対して20%の関税を適用することになります。これは、トランプ大統領が4月初めに課した46%の関税から大幅に引き下げられたものです。一方、アメリカからベトナムへの輸入品は関税の対象外とされています。また、トランプ大統領は、ベトナムが他国から輸入された製品に対して、最終的にアメリカに発送する場合には40%の関税を課すことに同意したと発表しました。このトランスシッピングと呼ばれる慣行は、中国が貿易障壁を回避するために繰り返し利用していると報じられています。
ベトナムはホワイトハウスとの間で貿易協定を結んだ数少ない国の一つであり、トランプ大統領の90日間の一時的な猶予が迫る中、他国はアメリカとの貿易関係がどのように進展するかに頭を悩ませています。
バンク・オブ・アメリカのセバスチャン・レードラー氏は、ベトナムの協定から得られる教訓として、関税は今後も減少するのではなく、逆に上昇する予兆があると述べました。他の国は、トランプ大統領がベトナムに対して合意した20%よりも低い関税率を獲得できるのではないかとの見方もあります。
シティのエコノミストたちは、この取引が他の新興市場経済、特にベトナムには懸念材料となる可能性があると指摘しています。彼らは、今回の開発によって不透明感が軽減し、今後数日内に他の協定が現れる兆しがあるものの、20%の関税率は予想された10%よりも高いと懸念を示しました。
また、ベトナムで工場を設立した韓国などの他の輸出国にも影響が及ぶ可能性があります。
さらに、トレード協定の追加締結が期待される中、インドも次の候補として名が挙がっており、農業セクターが障壁になる可能性があります。インディアは、国内の反発なしにアメリカに市場アクセスを与えるのが難しいと予測されています。
EUとの間の貿易交渉は進展が遅く、EUがアメリカに対して恣意的な規制や課税に関する批判を受けていることから、他のアジア地域とは異なる挑戦を抱えています。今後の展開には注目です。



