最近の中国の外交動向に注目が集まっています。中国の王毅外相がインドを訪問し、両国関係の改善に向けた重要なメッセージを発信しました。王外相は、インドと中国が「敵や脅威ではなく、パートナーと機会としてお互いを見なければならない」と述べ、2024年10月に行われる中国の習近平国家主席とインドのナレンドラ・モディ首相の会談が両国関係の「再起動」を意味すると強調しています。これに対し、米国との関係は近年、冷却化の様相を呈しています。特に、ドナルド・トランプ米大統領がモディ首相に対して高関税を課すなど、関係の悪化が鮮明となっています。
インドが米国と強い外交関係を築いてきた国でありながら、中国に接近する動きが見られる中、南アジア研究所の上級研究員イワン・リダレフ氏は、インドが実際に北京に近づいていると分析しています。しかし同氏は、米国との関係の冷却が唯一の要因ではないことを指摘しています。去年10月、BRICSサミットの際に習主席とモディ首相が会談し、緊張緩和に合意したことが、両国の関係改善に寄与していることも忘れてはなりません。トランプ大統領のインドに対する政策が、この流れを加速させているとの見解も示されています。
また、王外相はモディ首相に対し、8月末に天津で行われる上海協力機構首脳会議への招待を行い、モディ首相がその招待を受け入れたことも、両国関係の改善の兆しと捉えられています。直接のフライトが2020年の新型コロナウイルス感染症の影響により停止していたインドと中国の航路が再開され、三つの貿易ポイントでの国境貿易も再開されることが合意されました。これにより、中国は肥料やレアアース、トンネル掘削機の輸出制限を緩和する意向を示しています。
しかし、専門家によると、インドが北京に接近する動きは、地域の関係における根本的な変化を示すものではないとのことです。チャタムハウスのシニアリサーチフェロー、チエティグ・バジュパエ氏は、インドと中国の関係は「戦略的な再設定」ではなく「戦術的な再設定」に過ぎないと述べ、基本的な問題、特に国境問題が解決していないことを指摘しています。インドとパキスタン間の緊張も依然として残り、これが地域の安全保障環境に影響を与えるとしています。
確かに、インドは現在も米国との深い関係を維持しており、両国は「包括的かつグローバルな戦略的パートナーシップ」を築いています。このように、インドは短期的には北京との関係を深める可能性があるものの、依然として米国に対する反発を持ち続け、両国は地域のダイナミクスにおいて持続的な利益を共有しています。政治的緊張が緩和されれば、貿易摩擦も解消される可能性があります。



