2025年9月8日、ドイツ・ミュンヘンで開催されたIAA自動車展示会において、Xpeng(小鵬汽車)のCEOである何小鵬(He Xiaopeng)は報道陣とのインタビューで、同社の国際展開が予想以上に進展していることを報告し、初めて他の電気自動車(EV)メーカーの買収に関心を示しました。
Xpengは、自社の新しいMonaシリーズを2026年に海外市場へ導入する計画を発表しました。このシリーズは、中国で昨年デビューしたMona M03電気クーペを含んでおり、119,000元(約17,000米ドル)という競争力のある価格で市場に投入されました。何CEOは、Monaシリーズが中国だけでなくヨーロッパ市場にも展開されることを明言しました。
この動きは、中国の自動車メーカーが海外市場で強力な競争を展開する中で、特にBYDなどの企業がヨーロッパ市場での成長を続けていることを背景にしています。XpengのMonaシリーズが市場に投入されることで、メルセデスやBMW、フォルクスワーゲンといった伝統的な自動車メーカーとの競争がさらに激化することが予想されます。
Xpengは2020年にノルウェーを皮切りに国際展開を始め、現在までにドイツやフランスを含む複数の市場に進出しており、2025年末までに60カ国・地域への展開を目指していると述べていました。この目標は予想を上回り、既に達成したとのことです。何CEOは、Xpengが2年前には3~5市場での販売に留まっていたことを引き合いに出し、急速な成長を実感しています。
さらに、IAA自動車展示会では、Xpengが新型P7のアップグレード版である「Next P7」を初めて欧州市場に披露しました。しかし、Xpengがヨーロッパ市場に進出する中で、EUによる中国製電気自動車への関税といった課題にも直面しています。このため、中国の自動車メーカーは欧州での生産を検討しており、何CEOはXpengもその可能性を探っているものの、具体的なタイミングについては決定していないと述べています。
中国国内では、EVメーカー同士の価格競争が激化しており、Teslaとの競争も進んでいることから、規制当局が過度な競争を止めるよう呼びかけています。何CEOは、今後数年で生き残る中国の自動車メーカーは限られるであろうと警鐘を鳴らし、すでに一部企業の倒産が発生していることを指摘しました。この厳しい環境の中で、Xpengは他の電気自動車メーカーの買収にも前向きであり、今後の成長戦略に活用する意向を示しています。彼は、「機会があれば、他の企業の買収を行いたい」とし、製造業やEV企業の買収の可能性について言及しました。



