2025年9月、ロンドンファッションウィーク(London Fashion Week)2026年春夏シーズンが開幕した。英国ファッション評議会(British Fashion Council、以下BFC)の新最高経営責任者ローラ・ウィア(Laura Weir)氏の指揮のもと、BFCは「大胆な新時代の幕開け」を宣言。その先導役を担うのが、若手育成支援プログラム「BFC NEWGEN」の2025/26年度選出デザイナーたちだ。
今年度のNEWGEN選出者の中でもひときわ注目を集めているのが、北京出身・ロンドン在住のデザイナー、オスカー・オウヤン(Oscar Ouyang)である。オウヤン氏は同ファッションウィーク期間中、180 The Strand(ロンドン・サウスバンク地区に位置するクリエイティブ複合施設)にて、自身初となるロンドンファッションウィーク公式ランウェイショーを開催した。
オウヤン氏のSS26コレクションは、セントラル・セント・マーチンズ(Central Saint Martins)芸術デザイン学院で7年にわたり培ったナラティブな世界観を基盤とし、民俗的モチーフ、ストリートカルチャー、精緻な職人技を有機的に融合させた意欲作だ。想像力あふれるビジュアルでありながら、日常のウェアラビリティをしっかりと担保している点が評価されている。
ショーの幕開けを飾ったのは、ミリタリーインスパイアのジャケットに光沢感のあるショートパンツ、同色系のフリンジスカーフを合わせたオープニングルックだった。続いて、重なりあうテクスチャーが印象的なレイヤードスタイルが次々と登場した。たとえば、七分丈ニットレギンスをふわふわとしたフェザーショートパンツの下に合わせ、ソフトグレーのTシャツとビーニーをスタイリングしたルックや、タッセルをあしらったショートスリーブニットシャツにフォーマルなロングパンツとスニーカーを組み合わせたスタイルなどが披露された。
コレクション全体を通じて、ニットウェアの多彩な技法が随所に光る。クラシックなノースリーブベストやポンチョから、ボックスシルエットのオーバーサイズニットTシャツ、さらにはボリュームたっぷりのハンドクロシェ(手編み)チュニックまで、重層的なスタイルが豊かなビジュアル効果を生み出している。
今シーズン最大の見どころは、随所に散りばめられた羽毛(フェザー)のモチーフだ。モデルの髪に織り込まれ、スニーカーのシューレースに絡み、ヘッドピースに縫い込まれているそのディテールは、デザイナー自身がショーノートで述べているように「森の王者」との神秘的な連想を喚起することを意図したものである。
幻想的な世界観を持ちながらも、コレクションの根幹はアーストーンのカラーパレットとストリートインスパイアのシルエットで構成されており、機能的素材のアクセントが全体を引き締めている。カーキのアウターウェア、オリーブグリーンとネイビーブルーのカーゴパンツが特に目を引く。各ルックのフィナーレを飾るコンバース(Converse)スタイルのキャンバスシューズは、ナラティブと機能性のバランスを象徴し、ストーリーテリングとクラフツマンシップを日常着へと昇華させるオウヤン氏の才能を如実に示している。
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