カルティエ現代美術財団（Fondation Cartier）の新しい館が2025年10月25日にパリのパレ・ロワイヤル広場に正式にオープンします。この新しい館の開設は、財団の新たな発展段階を象徴しています。新しい館は2 Place du Palais-Royalにあり、オスマン様式の歴史的な建物に位置しています。この場所は、かつて19世紀のパリで文化とファッションが交わる重要なランドマークであったローヴル百貨店（Grands Magasins du Louvre）として知られています。今回の改装はフランスの建築の巨匠ジャン・ヌーヴェルが手掛けており、広いフロアからの大きなガラス窓が街の景色を取り込むデザインとなっています。内部には五つの可動プラットフォームが配置されており、展示スペースに柔軟性と活気を与え、アートと建築の相互関係を表現しています。
新館のオープン日には、同時にオープニング展覧会一般展覧会が開催され、約600点のアート作品が展示されます。これらの作品は100人以上のアーティストから集められ、1984年の設立以来、基金会が積み上げてきたコレクションから成るものです。展覧会は個展とテーマエリアに分かれ、建築、テクノロジー、自然、エコロジー、思想研究などの幅広い分野で、基金会が異なる領域にまたがる文化実験の精神を表現します。今回の展覧会は過去を振り返るだけでなく、Cartier基金会が未来のアートと社会の対話に対する継続的な関心をも反映しています。
一般展覧会この名称は、19世紀に同じ場所で行われた万国博覧会と同時期の物品及び服飾展に由来しており、当時の展覧会は新しい商品を展示するだけでなく、フランス市民が世界を知り、思想を交流する重要なプラットフォームでもありました。Cartier財団はこの名称を通じて歴史的文脈に応え、オープニング展を実験的かつ公共参加型の新しい文化空間に仕立て上げています。パリの現代都市景観の一部として、新館は単なる展示の場ではなく、都市の中で創造性と考えを喚起する交差点となることを願っています。
