パネライ ラジオミール ヴィアッジョ ネル テンポ エクスペリエンスセットが、世界限定30セットで発表された。1860年にフィレンツェで創業したパネライは、イタリア王国海軍との長期的な協力関係を背景に、精密計器メーカーとしての歴史を積み上げてきた。近年同ブランドは「Experience Edition」プログラムを通じ、腕時計の所有体験を着用から参加へと昇華させており、本セットはその集大成と位置づけられる。PAM01699やPAM01643、PAM00961などの先行モデルが示したコンセプトをさらに発展させ、コレクションを歴史的体験と結びつけた意欲作だ。
「Radiomir Viaggio nel Tempo(ラジオミール・時を旅する)エクスペリエンスセット」には、47mmケースを採用したパネライ ラジオミール 2モデル——PAM01729とPAM01730——が含まれる。さらに2026年9月に催行される4日間のイタリア歴史紀行が付帯し、フィレンツェを起点にブランドゆかりの軍事・海洋関連地を巡った後、リグーリア海岸を目指す航海で締めくくられる。腕時計は単なる装飾品を超え、歴史的場面への入場券として機能する。
PAM01729:青銅ケースが刻む経年の美
PAM01729は、純銅と純スズの合金からなるブロンズ製47mmケース・ベゼル・リューズを採用する。ブロンズは着用環境と年月に応じて徐々に緑青(ヴェルデグリ)の保護皮膜を形成し、個体ごとに異なる経年変化をもたらす。細身のラグ、円錐形スクリューリューズ、そしてアーチ状のPLEXIGLAS®風防が、クラシックなプロポーションを端正に引き締める。文字盤にはブラックの粒状テクスチャーを持つカリフォルニアダイアルを採用。ローマ数字とアラビア数字を組み合わせたレイアウトに、レールミニッツトラックとバーハンドが重なり、ヴィンテージ軍用時計の意匠を忠実に再現する。ベージュのSuper-LumiNova®夜光塗料は暗所で緑色に発光し、高温酸化処理を施したブルースチール針が深みのある藍色で文字盤に映える。
搭載するキャリバーは手巻きのP.3000。直径約37mmに相当する16½リーニュ径、厚さ5.3mm、21石、デュアルバレル構造で毎時21,600振動(3Hz)を刻む。パワーリザーブは約3日間。チタン製ブリッジを擁するサファイアクリスタルシースルーバックから、パネライ黎明期の設計思想を受け継いだムーブメントの動きを観察できる。防水性能は100m防水。時分のシンプルな二針表示は、軍用時計本来の実用的な美学を体現している。
PAM01730:プラチナムテックが宿す静謐な贅沢
PAM01730は、パネライ独自開発の「Panerai Platinumtech™」を採用する。純度95%のプラチナを主成分としながら、通常のプラチナ比で硬度を約85%向上させた合金素材だ。18Kゴールドを約33%上回る比重はそのまま保たれており、手首に乗せた瞬間の重厚感はプラチナ本来の存在感を主張する。ミラーポリッシュ仕上げのケースに、アーチ状PLEXIGLAS®風防とシースルーバックを組み合わせ、ラジオミールのクラシックなフォルムをプラチナという素材で新解釈した。
文字盤にはラジオミールとして初採用となる黒の円形ブラッシュド・サンドイッチ構造を導入。中央には繊細な放射状テクスチャーが刻まれ、12時位置に同色で刻まれた「RADIOMIR PANERAI」の文字はほぼ肉眼で識別できないほど控えめだ。これは初期の軍用時計が誇示を避けた意匠へのオマージュであり、表面にはブルースチール針とベージュSuper-LumiNova®インデックスが落ち着いた視覚的調和を生み出している。
キャリバーは手巻きのP.3001/10。厚さ6.3mm、21石、デュアルバレル、毎時21,600振動で約3日間のパワーリザーブを確保する。ムーブメントのブリッジには透かし加工とペルラージュ(パーリング)仕上げが施され、構造に立体的な奥行きを与える。パワーリザーブ表示は裏面に配置されており、表文字盤の端正なシンプルさを損なわない設計思想が徹底されている。防水性能は100m防水。
限定30セット:時計と旅が一体となったコレクター体験
2本の腕時計はダークブラウンのレザーストラップとトライアングルバックルを備え、専用マホガニー製ディスプレイボックスに収められる。パネライ ラジオミール ヴィアッジョ ネル テンポ エクスペリエンスセットは世界限定30セットのみの展開で、付帯する2026年9月のイタリア歴史紀行プログラムは単独販売されない。価格は【要確認】。腕時計そのものが「歴史への扉」となるこのセット、次のオーナーはあなた自身かもしれない——果たして30名のコレクターに選ばれるのは誰か?



