DC1 プラチナは、David Candauxが2026年に発表した新作モデルである。DC1 Platine Art du Tourbillonはブランドとして初めてプラチナ製ケースを採用したDC1シリーズである。

新作は2017年のDC1 First Eightで確立した基本デザインを継承している。6時位置のMagic Crown、30度傾斜のフライングトゥールビヨン、そして階層感のある非対称ケース構造が引き継がれている。
ケース仕様と仕上げ
DC1 プラチナは直径43mmのプラチナケースを採用し、全体を手作業でポリッシュ仕上げしている。プラチナは比重が高く加工が難しいため、各エッジやラインを再設計してDC1本来のシャープな輪郭を保ったという。
ケース厚は本体のみで10.02mm、風防を含めた総厚は12.9mmである。防水性能は30メートルとなる。

文字盤の構造と素材
文字盤は多層構造で、中央には鏡面ポリッシュ仕上げの黒瑪瑙(ブラックオニキス)メインプレートを配している。黒瑪瑙の厚さはわずか0.2mmであり、非常に脆弱な素材だという。
ブランドによれば、1つの完成品を作るために平均で5枚の原材料を消費するという。黒瑪瑙面には黒色陽極酸化処理を施したチタン製のトゥールビヨンケージを組み合わせ、視覚的に9時位置のフライングトゥールビヨンを強調している。

時分盤と立体感の演出
3時位置には白いオパールの時分盤を備え、18Kローズゴールドのベゼルと立体的なインデックスを組み合わせている。光の角度によって半透明の質感が変化する設計である。
全体の文字盤は十数個の独立パーツを重ねることで明確な奥行きを生み出している。これは近年のDavid Candauxの代表的なデザイン要素である。

ムーブメントと仕上げ
搭載する自社製手巻きキャリバーH74は、287個の部品で構成される。振動数は毎時21,600振で、パワーリザーブは約55時間である。
メインプレートとブリッジは5級チタンで作られ、耐磁性・耐腐食性と軽量化を両立する。裏蓋はシースルーで、積層式のムーブメント構造やブランド専用のCôtes du Solliat仕上げ、18個の鏡面内角の面取りなどの手仕事を観察できる。

Magic Crownと装着性、価格情報
シリーズの象徴であるMagic Crownは6時位置に配され、原子筆の押し込み機構に着想を得ている。装置は31個の部品で構成され、巻き上げ・時刻合わせ・中立の各モードを切り替えられる。
未使用時はケース内に完全に収められる設計で、今回のバージョンはチタン製の本体にプラチナ製のトップキャップを組み合わせている。素材の対比により外観にリズムが生まれている。
ストラップは黒いテクスチャードラバーを採用し、ベルクロ式バックルを備える。世界限定8本での展開となる。
価格はCHF 248,000で、メーカーは10年の国際保証を提供する。CHF 248,000は概算で約4,220万円程度に相当する(CHF 248,000 / 換算目安1CHF≈約170円)。
DC1 プラチナは、プラチナケースによる重量感と光沢を通じて既存のDC1デザインを新たな表現で見せるモデルである。

