レベルソの新作、Reverso Hybris Artistica Calibre 179 Pegasusは、ジャガー・ルクルトが制作した限定5本の高度な工芸モデルである。
ブランドはこの1本に、彫刻や漆芸、鏤空、球形トゥールビヨンといった技術を凝縮したと説明する。限定5本という希少性も特徴である。
ケースには18Kローズゴールドを使用し、飛馬のモチーフを配している。職人はケースの彫刻に約180時間を費やし、飛馬と雲の文様を立体的に仕上げた。

彫刻は正面からケース側面へと連続し、レベルソのアールデコ調プロポーションを保ちながら外装を一体化している。彫りの深さと浮彫の陰影が意図的に活かされている。
文字盤は濃紺を基調とし、金色の時標と露出したトゥールビヨン窓を組み合わせる。青は単一色ではなく、職人の手作業による多層漆塗りで表現されている。

レベルソの飛馬彫刻とケース仕上げ
職人は18Kローズゴールド製の文字盤基板に、50以上の凹槽を彫り込んだ。各凹槽に別々の濃淡の青漆を重ね、雲の文様に光と影の層を与えている。
彫刻はケース正面から側面にかけて続き、仕上げはシリーズの装飾芸術的ラインを損なわないよう配慮された。外装と装飾の一体化を狙った設計である。
裏返すと別の表情が現れる点もレベルソらしい。鏤空構造により、Calibre 179の主要部品が視認できるよう設計されている。

鏤空と仕上げ、Gyrotourbillonの技術
Calibre 179は鏤空化され、ブルーの塗装を施したブリッジや手作業の面取りが目立つ。ブランドによれば、Gyrotourbillonのフレームの面取りだけで約14時間を要したという。
背面の独立したブリッジにも追加で約8時間の研磨工程が入る。これらは機械的な見せ方を重視した仕上げである。
中核をなすのは第4世代のGyrotourbillonである。装置は123個の部品で構成され、二軸回転方式を採用する。

Gyrotourbillonの駆動と設計
内枠は16秒で一回転し、外枠は1分で一回転する。この二重の回転により立体的な動きが強調される。
また、チタン製フレーム、半球形のヒゲゼンマイ、二重ガンギ方式のGyrolab振り子を採用し、空気抵抗の低減と精度向上を図ったとする。これらが第4世代の特長である。
サイズ・装着感と総評
ケース厚は12.41ミリに抑えられている。長方形ケースの寸法は51.1×31ミリで、深紺のクロコダイルストラップを組み合わせるため、装着感は細長い印象である。
新設計のフォールディングバックルは46個の部品で構成され、0.5ミリ単位の微調整機能を備える。時計全体は高複雑機構と手仕事の装飾を両立させた作品である。
ジャガー・ルクルトにとって、Reverso Hybris Artistica Calibre 179 Pegasusは工房の総合力を示す一例である。レベルソコレクションの伝統を保ちながら、新たな工芸表現を提示する意欲作といえる。

