iOS 27はWWDC26で発表され、Siri AIを中核に大幅な進化を果たした。ティム・クック(Tim Cook)が司会した最後の基調講演で示された主要機能を整理する。Apple公式の説明とデモに基づき、ユーザー向けの影響点を分かりやすく伝える。
今回のアップデートは単なるUI変更を超える。Siri AIを中心に、生成系とコンテキスト理解が深く統合されたのが最大の特徴である。
1. Siriが跨アプリで記憶し動けるようになった
これまでは質問に答えても文脈を保持しないことが多かった。新しいSiri AIはメール、メッセージ、写真、ブラウザ履歴などを参照し、状況を横断的に把握する。
AppleはGoogleの言語モデル技術を基盤の一部として採用し、Apple Foundation Modelsを共同開発したと説明した。処理は匿名化され、学習用には使わない設定も可能である。

2. Safariに「Notify Me」などのスマート機能が追加
SafariはApple Intelligenceの支援で監視と通知が可能になった。「Notify Me」はページの更新や在庫変化、価格変動を監視して通知する。

3. パスワード流出への対応を自動化
流出が検知された場合、Siri AIとSafariが連携して該当サイトへ移動し、新しい安全なパスワードを生成して保存できる。手続きの一部を自動化する点が特徴である。

4. 写真編集の生成AI機能が標準搭載
「写真」アプリに生成AIツールが入り、Clean Up、Extend、Spatial Reframingが利用可能になった。外部アプリに頼らず編集できる点が利便性を高める。
Clean Upの改善版は不要な被写体を除去し、生成部分の補完が自然になった。
サーバー側で処理する生成機能には日次の使用上限があり、iCloud+の加入者は上限が引き上げられる。
5. Image Playgroundで写実的な画像生成が可能に
Image Playgroundはこれまでのカートゥーン寄りの表現から、より写真に近い生成スタイルを追加した。テキストと手持ちの写真を組み合わせて個別素材を作れる。

こちらも無料で利用できるが、日次制限がある。iCloud+は生成枠を増やす方法の一つである。
6. メッセージやカレンダーでの作業が簡潔に

メッセージやメールは、個別の相手に合わせた文体を学習して返信文を生成する。カレンダーは自然文から予定を作成できる。

- メッセージは会話からリマインダーや写真検索の提案を行う
- メール/メッセージの返信生成は個人の文体を学習する
- Call Contextは通話時に確認コードや予約番号などを表示するが、通話内容は解析しない
- カレンダーは一文の説明で予定を作成できる
7. Shortcutsが自然言語で作成可能に
Shortcutsは従来の設定ハードルを下げ、目標を自然文で伝えれば自動で必要な動作を組み立てるようになった。技術知識が不要になる点が大きな変更点である。
8. システム全体にわたるAI搭載の文字起こし・編集機能
新しい聴写機能は口語の言い淀みを自動で削除し、句読点や大文字小文字を文脈に応じて修正する。ほぼすべての入力欄で利用可能である。
メールやメッセージでは相手別に語調を変えた文面を生成でき、第三者アプリ上の校正も行えるため、業務効率が上がる。
9. 保護者向け機能の細分化
家族向けの設定は「児童アカウント」を軸に改善された。Setup Assistantで初期設定を行い、閲覧や購入の許可を細かく管理できる。

13歳未満の子どもはデフォルトで「閲覧許可」「購入許可」が家長承認制となる。アプリやカテゴリ単位で使用時間制限も設定できる。
10. iCloud共有アルバムがクロスプラットフォームで原画共有可能に
iCloud Shared Albumsは非Apple端末へのフル解像度共有をサポートした。Android利用者を含むグループ共有が簡便になる。

ただしAndroid側の実際の受け取り体験は、正式版リリース後の検証が必要である。
iOS 27 対応機種
AppleはiOS 27がiPhone 11以降の全機種をサポートすると発表した。これは過去最多のカバレッジである。
ただしSiri AIの利用条件は機種ごとに異なる。Siri AIはiPhone 15 Pro以上、またはiPhone 16/17の全モデルが対象で、iPhone 15の標準版・Plusは対応しない。
Siri AIはApple Watch Series 10、Ultra 2、SE 3でも利用可能だが、対応にはSiri AI対応のiPhoneとのペアリングが必要である。iPadはA17 Pro搭載のiPad mini、またはM1以降のiPadが対象だ。
iOS 27 各機種機能対応表
| 機種 | iOS 27 基本更新 | Liquid Glass 調節 | Siri AI | AI 写真/聴写/Shortcuts | 最強本機AIモデル |
| iPhone 11 / 12 / 13 / 14(SE 2/3含む) | ✓ | ✓ | — | — | — |
| iPhone 15 / 15 Plus | ✓ | ✓ | — | — | — |
| iPhone 15 Pro / Pro Max | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | — |
| iPhone 16 / 16 Plus / 16e | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | — |
| iPhone 16 Pro / Pro Max | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | — |
| iPhone 17 / 17e / Air | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
| iPhone 17 Pro / Pro Max | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
| iPad mini(A17 Pro)/ M1以降のiPad | — | ✓ | ✓ | ✓ | — |
| Apple Watch S10 / Ultra 2 / SE 3 | — | — | ✓(iPhone要ペアリング) | 一部 | — |
「最強本機AIモデル」はiPhone 17シリーズの最新チップで本機生成タスクを実行する機能を指す。サーバー処理を要する生成機能は日次制限があり、iCloud+加入で緩和される。
開発者向けのBetaは公開済みで、一般向けのPublic Betaは7月、正式版は秋に配信される見込みである。
地域制限については、欧州連合内では《デジタル市場法(DMA)》の影響でiOS/iPadOS向けのSiri AI非提供が発表された。クレイグ・フェデリギ(Craig Federighi)はこの点に対して失望を示したが、現時点で欧州向けの提供時期は未定である。香港で購入した正規版iPhoneは影響を受けない。
総括すると、iOS 27はSiri AIを軸に日常の作業効率を高める改良が多い。プライバシー制御を保ったままコンテキスト理解を深めた点は、実用面での恩恵が大きいといえる。



