ルイ・ヴィトンの2027春夏メンズ前コレクション「Whatever the Weather」を、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)が手掛けた。

本コレクションは、天候の変化と現代の旅文化をテーマに、移動する生活様式を想定したワードローブを提案するものである。
シリーズは空港や都市、さまざまな気候を行き来する日常を想定している。服は単なる見せ場ではなく、多様な場面に対応する実用装備として再定義された。

本季の大きな特徴は素材の使い方である。ファレルは視覚的トリックを用い、素材が別の質感を帯びる表現を試みた。
例えば、スウェット素材があたかもレザーのように見えたり、カシミヤがデニム風の表情を作ったりする。真假が混在する素材遊びがコレクションの層を深めている。

デザイン源は1980年代のワークウェアとアウトドア機能である。ナイロン、スエード、レザー、モノグラムキャンバスを組み合わせ、保護性とシルエットを両立させた。
ダウンジャケットにはモノグラムのレザーディテールが入り、リバーシブルのベストやレーザープレスのデニムスーツ、蝋引きの光沢を帯びたスーツも見られる。実用性とクラフツマンシップが共存している。

シリーズには「天気先生」というコンセプトもある。これは天候を前に報道する気象キャスターに着想を得たものである。
そのためコートや保温性のあるアイテムは包み込むような構造になっている。カシミヤはフーディ、ポロ、Tシャツに多用され、快適性が高められている。
旅の物語もコレクション全体に通底するテーマである。コミック調のグラフィックが若いビジネス旅行者のニューヨーク―パリ間の往復を描写し、服自体が旅の記録となる演出が施されている。

アクセサリー類もテーマに沿って刷新された。Keepall、Christopher、Speedyといった定番は、グラデーションや雨滴のような光沢、スエードパッチで新しい表情を得ている。
一部は傘を模したバッグや立体的な雨滴プリントを取り入れ、コレクションの旅行性と美術性を強めている。クラシックを再解釈したアートピースといえる。
シューズも機能性重視の方向が続く。LV Trainer、LV Tilted、LV Dropなどはリップストップナイロンやモヘアを用い、街中での実用性と遠征での耐久性を両立させている。
LV Rangerショートブーツはアウトドアの要素を取り入れ、泥の付着を想定したディテールも施された。旅の経年変化を表現する意図がある。
「Whatever the Weather」でファレルは、裁断技術、ストリート文化、機能デザイン、旅の精神を結び付けた。ルイ・ヴィトンの旅行文化との結び付きは今回も明確である。
このコレクションは、気候や都市生活、個々の役割が変化する時代に向けた新しい男性像を提示している。服は旅の伴侶として進化している。



