ヴァシュロン新作はWatches & Wonders 2026で五大ラインを発表した。会場では女性向けのアートピースから超薄ムーブまで幅広い新作が並んだ。

今回の発表は女性用の装飾技術、歴史的なデザインの現代解釈、スポーツモデルと高複雑機構という三方向で構成された。外装と機構の両面でブランドの幅広さを示した。
エジェリー ムーンフェイズ スプリング ブロッサムは本発表で最も視線を集めたモデルである。径37mmの18Kピンクゴールドケースとピンクのマザーオブパール文字盤を組み合わせる。

文字盤は高級オートクチュールの布地や刺繍を想起させるプリーツ模様を踏襲している。月相表示は1時から3時の位置にあり、外周に36石のダイヤモンドを配した。
ムーブメントはCalibre 1088 Lの自動巻きで、約40時間のパワーリザーブを備える。注目点はベルトへのミクロペイントの採用で、ピンクのカーフストラップに春の花を手描きした点である。

ヴァシュロン新作:エジェリーの意匠と素材
エジェリーは高級仕立てのディテールを時計語彙に転写したシリーズである。装飾とマザーオブパールの質感で一つ一つ表情が異なる。

Historiques American 1921はブランドの歴史を現代に再解釈した一作である。当時の懐中時計から腕時計への移行期の実用性を反映し、45度傾けた文字盤配置が特徴だ。
2026年モデルは枕型ケースと偏心ダイアルを残したまま、40mmと36.5mmの二サイズ展開とした。18Kピンクゴールドケースに粒紋シルバー文字盤、青いアラビア数字と青色の金針を組み合わせる。
ヒストリクス 1921 の復刻ポイント
搭載ムーブはCalibre 4400 ASの手巻きで厚さは2.8mmである。約65時間のパワーリザーブを持ち、ジュネーブ・シールの認証を取得している。

Overseas Dual-Time Cardinal Pointsはトラベルウォッチの位置づけで、チタン素材で再構築したモデルである。ケース径は41mmで、一体型ブレスレットもチタン製だ。
ベゼルやリュウズ、プッシュボタンにはTitalyt®処理を施して耐摩耗性を高めた。文字盤は白、緑、茶、青の四色を揃え、方位を象徴するデザインとしている。

ムーブメントはCalibre 5110 DT/3の自動巻きで二地表示と昼夜表示、日付を備える。約60時間の動力を確保し、オレンジの矢印針で第2時間帯と昼夜を示す。
ヴァシュロン新作のトラベル機能と装着性
ベルトはチタンブレスとラバーストラップを用意し、クイックチェンジとEasy-Fit調整に対応する。出張や移動の多いユーザーを想定した機能性が充実している。

技術面のハイライトは新しいCalibre 2550を搭載した超薄自動巻きである。このムーブは7年の開発を経て厚さ2.4mm、約80時間のパワーリザーブを実現した。
構造はプラチナ製のマイクロローター、浮遊式のツインバレル、単層のギアトレインを組み合わせている。ケース径は39.5mm、総厚7.35mmでOverseasシリーズの最薄モデルとなる。

超薄ムーブメントとプラチナ仕様の意義
ケースとブレスは950プラチナで、特殊合金処理により硬度と耐久性を確保した。文字盤はサーモンカラーのサンレイ仕上げで視覚的な温かみを加えている。

Les Cabinotiersの三問トゥールビヨンは1点物の高級特注ピースである。ムーブは2755 TMR SQで三問とトゥールビヨンを組み合わせた複雑機構だ。
同機は471個の部品から構成され、厚さは約6.1mmである。鏤刻を用いて主板体積を約40%削減し、視覚的な透過感を高めている。
報時には慣性式のサイレントレギュレーターを採用し、リズムを安定させている。仕上げは面取り、ヘアライン、ジュネーブストライプなど多様な高級装飾が施される。
総括すると、ヴァシュロン新作は外装の細やかさと機械技術の両面で意欲的な発表であった。日本での発売時期と価格は今後の公式発表を待つ必要がある。

