Zoox リコールが発表され、105台のRobotaxiが回収対象になった。Amazon傘下の自動運転企業、Zoox(ズークス)は濃煙下で認識が不能になり突発的に停止する問題を理由に召回を公表した。
問題は6月20日に発生した。米国国家道路交通安全局(NHTSA)の報告によると、あるZooxの自動運転車両が火災現場に接近した際、濃煙の影響で急停車した。
最終的に同車は遠隔のオペレーターが手動で後退操作を行って現場を離脱した。現場の救助隊が交通コーンを配置して走行経路を確保して初めて撤退が可能になったという。
Zoox リコールが示す課題:災害現場での停止は安全を意味しない
表面的には、視界不良で停止するのは自動運転の保守的な挙動である。だが火災現場のような非標準的な状況では、停止が救援を妨げる危険がある。
NHTSAは濃煙がカメラのコントラストを低下させるだけでなく、LiDARなどのセンサー読み取りを妨げると指摘した。これにより最も精密な制御が必要な場面で判断が停止するという。

さらに火災現場は動的で非標準的な要素が多い。信号が機能していない場合や、消防車や臨時の封鎖線、現場で交通を整理する警官がいる場合がある。
こうした「臨時ルール」を車両が正しく認識できないと、道路中央で停止することが救援経路を遮断する結果になりかねない。
いつ操縦権を人間に戻すべきか
従来の車両リコールは機械的な欠陥が原因であることが多い。だがRobotaxiはソフトウェア依存が高く、今回のZoox リコールもアルゴリズムの認知盲点への対処が目的である。
同社はOTAによるソフトウェア更新で問題を修正したと説明している。NHTSAの報告では、Zooxはこれを既知の唯一の煙関連事例としている。

だがコードを書き足すだけでは、現実世界のすべての突発事態をカバーできない。重要なのは、車両が早期に「自分は対処できない」と認識し、遠隔オペレーターに判断を委ねられるかどうかである。
Zoox リコールは、センサーをいくら重ねても突発的現場の臨時ルールを機械が自動で解釈するのは難しいことを示した。限界を正確に検知して速やかに人間へ制御を戻す設計が、自動運転車の安全性にとって不可欠である。
今回の105台のソフトウェア召回は業界にとって重要な教訓である。自動運転事業者は実運用での稀有な事例を継続的に学習データへ反映させる必要がある。

