ホンダF1は2026年レギュレーション導入で、パワーユニット開発が想定より遅れていると認めた。Hondaのサーキットディレクター兼チーフエンジニア、Shintaro Orihara(シンタロウ・オリハラ)は、1月時点で現行案が競争力を確保できないと判断したと明かした。
当初は開発の方向性は順調で、部分的な性能改善も見られたという。だがテスト準備段階で、動力出力向上と信頼性の両立に矛盾があることが判明した。チームは一部のセッティングが速度を出す一方でシステム負荷を高めると説明した。
ホンダF1が直面する技術的課題
バルセロナでの走行テストでは、同社の動力単元は純粋な速度面でも安定性でも他メーカーと同水準に達していなかった。電池システムの問題がテスト進行を制約したことも明らかになった。
2026年の規則変更では、電気出力の比率が高まり、MGU-Kの出力は約120キロワットから350キロワットへと増加した。これに伴い、燃料流量の制限も変化し、内燃機関の設計方針を根本から見直す必要が生じた。
MGU-H取消しの影響と調整の難しさ
また、MGU-Hの廃止はエンジニアリング上の重要な課題を残した。Hondaは、ターボの安定化とドライバーが感じる自然なパワー感の再現が調整面で難しいと説明する。
MGU-Hを失うことで従来はエネルギー回収とターボ制御に使われていた機構が使えなくなり、別の方法で過給の安定性と出力特性を確保する必要が出てきた。これが動力系統全体の再設計につながっている。
アストンマーティンとの関係と車体側の影響
アストンマーティン(Aston Martin)にとって、動力単元は総合的な競争力の一部にすぎない。チームは新しい技術拠点と設計陣を擁するが、2026年規則はシャシー、空力、動力系の再統合を求める。
どれか一要素でも遅れが出れば、直ちにトラックでの成績に響く。チーム関係者によると、シャシー側とパワーユニット側のマッチングに想定以上の時間を要しているという。
今後の改善策とシーズンの目標
Hondaは現在、動力単元の性能改善に注力している。準備中のザントフォールト(Zandvoort)向けアップグレードは性能不足の解消を狙ったもので、段階的に競合との差を縮める計画だ。
チームは今季の目標を短期的な成績獲得だけに設定していない。ホンダF1としては、シーズンを通じたデータ蓄積と改善で将来の競争基盤を築くことを重視していると述べた。
Oriharaは「開発は難航しているが、レースを通じて学びを得て改善していく」とコメントした。関係者はザントフォールト以降も継続的なアップデートを予定していると明かした。



