AI録音機Plaud Note Proは、2023年末に香港市場へ本格参入して以来、現地ユーザーが約19倍に増えた。過去1年だけで利用者は2倍超に増加し、金融・教育分野の利用者が約3分の1を占めるという。
本稿は実機を用いて外観、操作性、そして新しいPlaud Intelligenceの実務での有用性を検証した。香港では録音時間の平均が30分を超え、転写の約2/3が中文、残りが英語だという点も注目される。
最初に目を引くのは筐体デザインである。従来の録音機よりもクレジットカードサイズに近く、サイズは85.6×54.1×2.99ミリ、重量は約30グラムだ。

アルミ合金の本体にCorning Gorillaガラスを組み合わせ、表面には細かな波状のテクスチャが施されている。手に取ると堅牢感があり、薄型ながら質感が高い。
AI録音機としての外観と携帯性
本体は薄型で、見た目はスマートフォンアクセサリーに近い。携帯性を重視する利用者には魅力的だ。

本体にはAMOLEDのInstantViewスクリーンを搭載し、録音状態やバッテリー残量を直接確認できる。物理ボタンを併用することで、操作感は従来の録音機に近い。
磁吸設計と運用上の利便性
磁石でスマートフォン背面に固定できるカバーが付属するため、日常的にスマホとともに携行しやすい。取材やインタビューでは目立ちにくく、対話を自然に保てる点がメリットだ。

ただし、磁着用のケースは装着時の固定力は高いものの、取り外しがやや固く感じた。単独で持ち運ぶ場面では取り出しやすさの改善が望まれる。
基本操作と録音性能
初回はPlaudアプリをダウンロードし、Bluetoothでペアリングするだけだ。録音は本体の長押しで開始、短押しで重要箇所にマーカーを付けられる。

ハードウェア仕様としては、4つのMEMSマイクと1つのVPUを内蔵し、最長収音距離は約5メートルである。持続録音は省電力モードで最長50時間、強化モードで30時間まで対応する。
電話通話や会議音声の自動切替にも対応しており、長時間の取材や会議録音で安定した運用が可能だ。
Plaud Intelligenceと自動化機能

ハードだけでなく、Plaud Intelligenceが本機の価値を大きく高める。Plaudは170か国以上で300万超のユーザーを抱え、プラットフォームは112言語以上に対応する。
録音後は自動で逐語稿、要約、重要ポイントの抽出を行い、1万点以上のテンプレートから用途別に整形できる。中英混在の香港の会議でも話者識別が機能する点が利点だ。
Plaud AgentとAsk Plaudの活用

新たに追加されたPlaud Agentは、録音内容の整理を超えて実務タスクまで支援する。Ask PlaudにはChatとWorkの2つのモードがあり、Chatで会話中の特定箇所を検索できる。
Workモードでは会話を基にWord、PDF、PowerPointを自動生成し、フォローアップメールの草案まで作成可能だ。SlackやNotion、Google Calendar、Linearなどとの連携も用意されている。
ただし、AI生成の逐語稿や文書は人名、数値、専門用語に誤りが出ることがあるため、最終チェックは必須である。
対応プラットフォームと会議録音
Plaud AppはiOS、Android、macOS、Windowsに対応する。PC版はZoom、Teams、Google Meetの音声キャプチャに対応しており、別途会議ボットを導入せずに録音できる。

オンライン会議の録音が簡便になる点は、リモートワークや分散チームでの議事録作業負荷を下げる可能性がある。
料金プランと導入コストの目安
価格は香港の小売価格で、Plaud Note ProとPlaud NotePin Sの希望小売価格はそれぞれ約2万8,180円(HK$1,399)である。
サブスクリプションはProが月額約2,981円(HK$148)、Unlimitedが月額約4,593円(HK$228)、チームプランは1席あたり月額約5,741円(HK$285)だ。
追加のPlaud CreditsはHK$88から購入可能で、約1,773円(HK$88)からとなる。Starterプランは月300分の転写、Proは1,200分、Unlimitedは無制限(1日上限24時間)などの差がある。

誰に向くか、向かないか
Plaud Note Proは、たまに録音するだけの人には過剰な投資かもしれない。スマートフォンで十分な場面も多い。
一方で、頻繁に会議や取材を行い、特に多言語混在の議事録整理や報告書作成の工数を下げたい職種には有力な選択肢となる。録音とAIによるワークフロー統合が利便性を高めている。
香港では豊澤(Fortress)、衛訊(Sunning)などを含む75以上の実店舗で販売されており、公式サイトやオンライン小売でも購入可能だ。
総括すると、AI録音機としてのPlaud Note Proは携帯性とAI連携で実務効率を高める可能性がある。ただし、AI生成物の検証作業は残るため、運用設計が重要である。

