フィレンツェ 新ホテルとして、 Porta Rossa Hotel Firenzeが今年5月に開業した。Minor Hotelsの新ブランドである Colbert Collectionによる初の物件である。
ホテルはフィレンツェ旧市街のVia Porta Rossaに位置する。アルノ川(Arno River)、ヴェッキオ橋(Ponte Vecchio)、ウフィツィ美術館(Uffizi)、シニョーリア広場(Piazza della Signoria)などの主要景勝地まで数分の距離である。
フィレンツェ 新ホテルの立地と歴史
建物は1386年に遡る歴史的建築で、現在も当時の意匠が各所に残る。かつては絹商人を歓待したとされる由緒ある建物である。
今回の改修では大規模なリノベーションを実施し、歴史的要素と現代のブティックホテル感を融合させた。赤い正門や彩色ガラスの碑文「Per non dormire」などの原意匠を保存している。

客室デザインと特色スイート
ホテルは合計69室の客室とスイートを備える。客室の設計はルネサンス期の宮殿の私室を想起させる意匠が基本である。
内装には革、刺繍入り壁紙、鉱物調のカラー、布製ベッドカーテンなどを多用している。静謐で繊細な雰囲気を目指したという。
6室の特徴あるスイートはフィレンツェの歴史をテーマにしている。例として Amici Miei Frescoed Junior Suite や Bartolini Frescoed Suite が挙げられる。

塔楼スイートとパノラマ
最も特別な客室は中世の塔楼を活用した Torre Monalda Signature Suiteである。塔楼は市内に現存する歴史的塔のひとつで、かつては貴族の威信を示す象徴であった。
このスイートからはフィレンツェを360度で見渡せる。宿泊客は都市の歴史建築に直接滞在する独特の体験が可能である。
公共空間も改修の重点である。Colbert Collectionは「art of gathering」をコンセプトに掲げ、ロビーは現代的な広場のイメージで設計された。
ロビーにはオーダーメイドの家具や革のディテール、フィレンツェ伝統の灯籠を模した暖色照明を配し、居心地の良さを演出している。併設のビストロバーは交流を促す場として機能する。

ダイニングと会議設備
飲食はミシュラン星を持つシェフ、パオロ・アイラウド(Paolo Airaudo)が監修する新コンセプトのレストランが担当する予定で、6月開業を見込む。料理は地元食材とイタリアの伝統を現代的に再解釈する方向性だという。
ホテルには最大40名収容の会議室が2室あり、小規模なビジネスイベントやプライベートパーティに適している。歴史建築内での開催は一般的なビジネスホテルとは趣が異なる。
ブランド展開と今後の計画
Colbert Collectionは今年正式ローンチされたばかりのブランドで、Porta Rossa Hotel Firenzeがグローバルでの第1号物件となる。ブランドは独立系ホテルとアート、飲食体験の融合を打ち出している。
今後の開業計画としては今年第4四半期のロンドン The WestDill Mayfair Hotel London、さらには2027年のアジア初進出として Colbert Collection Koh Samui が予定されている。
フィレンツェ 新ホテルとしての Porta Rossa Hotel Firenzeは、歴史と現代の滞在体験を求める旅行者にとって注目の選択肢になるだろう。今後の運営動向とレストランの評判に注目したい。

