モーザー新作はH. Moser & Cie.が発表したEndeavour Minute Repeater Cylindrical Tourbillon Skeletonである。
ブランドは1828年創立で、本社はNeuhausen am Rheinfall(ノイハウゼン・アム・ラインフォール、スイス)に置く。

この新作は三問報時と円柱形ヒゲ(円筒形ヒゲゼンマイ)を同一設計内に収めた点が最大の特徴である。
ケース径は40ミリ、素材は鈦金属で厚みは14.4ミリである。フルスケルトンの文字盤で機械の層が視認できる設計だ。

モーザー新作のデザインと表示
文字盤の2時位置に電光藍のスモーク副ダイヤルを配し、透明漆でブランドロゴを施している。
副ダイヤルは時刻表示の補助であり、全体の骨格と視覚的対比を作る役割を持つ。
特筆点として、三問報時機構のハンマーとゴングを文字盤側に出した点がある。これにより打刻機構の動きと音が視覚的に一体化している。

音響設計と素材の工夫
報時用ゴングは同一平面に弧状で配置され、音響伝達を最適化するために精密に調整された。
ケース内部の組み直しで、報時のスライドバーはテフロン導軌上に設け、主プレートに統合されている。
中層を大きく鏤空し共鳴箱に近い効果を作ることで、鈦金属の低減衰特性と相まって音の明瞭さと持続性を高めている。

ムーブメントと技術パートナー
搭載するムーブメントはHMC 909手巻きである。
直径33ミリ、厚さ9.6ミリ、部品点数は415個、石数35、振動数は21,600振動/時、パワーリザーブは90時間である。
橋板と主プレートはMoserのダブルストライプ仕上げを施し、手作業によるポリッシュで整えている。
6時位置には1分間フライングトゥールビヨンを配置し、ここに円柱形ヒゲが組み合わされている。
円柱形ヒゲは振り子軸に沿って垂直に巻かれる構造で、等時性の改善と摩擦低減を狙う高度な部品である。
このヒゲゼンマイの開発と製作はPrecision Engineering AGが担当したとされる。

装着感と生産数
風防はサファイアクリスタルで、裏蓋も透明素材を採用している。ストラップはグレーのクロコダイル、バックルは鈦製である。
重量と装着感はチタン素材によりバランスが取れており、日常の着用でも扱いやすい設計だ。
本作は限定20本での発表であり、コレクターズピースとしての位置付けが明確である。モーザー新作としての注目度は高い。
以上がH. Moser & Cie.によるEndeavour Minute Repeater Cylindrical Tourbillon Skeletonの概要である。

