Apple Siriは米国の集団訴訟を巡り、Appleが2.5億米ドル(約350億円)で庭外和解に同意した。和解は裁判官の承認待ちであり、Appleは過失を認めていない。
事案の発端は2024年だ。Appleは「Apple Intelligence」を掲げ、個人化された次世代の音声アシスタントを大々的に宣伝した。
当時の説明では、使用状況を理解し、アプリを横断して指示を実行し、個人データと深く統合するSiriを実現するとしていた。これらはiPhone 16シリーズとiPhone 15 Proの主要な訴求点になっていた。
経緯と宣伝内容
しかし、発売から約2年を経ても想定した機能は正式に提供されていない。Appleは2025年3月に機能の遅延を公表し、関連する広告を撤回した。
この遅延を受け、当該期間に米国で該当機種を購入した消費者らが原告となり、集団訴訟が提起された。訴訟は主に販売時の説明と実際の機能の乖離を問題にしている。
和解の条件と影響
和解金額は2.5億米ドルで、これは約350億円に相当する。だが和解は裁判所の承認を得て初めて効力を持つことになる。
協議の中でAppleは過失の認定を行わない条項を含めた。これは企業が他の訴訟や判例に利用されることを避けるための一般的な措置である。
消費者への配分方法は最終合意と申請者数により決まるため、個々の支払い額は未確定だ。申請手続きや対象期間の詳細は裁判所の最終判断で示される見込みである。
賠償の見通し
和解が承認されれば、対象となる購入者は申請手続きに基づき支払いを受ける可能性がある。だが支払い総額の分配比率や最低支給額の有無は未定だ。
技術面の方向転換
報道によれば、AppleはiOS 27での新版Siriにおいて、GoogleのGeminiモデルを導入する方向で調整している。これは自社の大型言語モデルの不足を補うためとされる。
自社エコシステムの内製で完結する戦略からの転換は注目に値する。競合のモデルを組み込む選択は技術的なギャップを認める形にも解釈できる。
ユーザーへの影響と今後
消費者にとって、iPhone 16シリーズ発売時に期待されたAI機能は完全には実現していない。Apple Siriに期待して購入したユーザーの不満は残る。
新版Siriの正式な提供時期は未定だ。iOS 27の公開時期とGemini統合の進捗が、実際に機能が届く時期を左右する。
和解は未遂に終わった宣伝を法的に清算する前例を示した。今後の展開を受け、メーカーの製品発表と実際の提供状況の乖離に対する監視が強まるだろう。



