Liber Paterの27リットルボトル1点がボナムズ香港の競売に出品され、推定約1億2,045万6,000円〜約1億8,068万4,000円(元の価格600万〜900万香港ドル)と評価された。
本競売はBonhams Hong Kongが主催する「Liber Pater Jubilee: 20 Years of Wine History in Motion」で、Liber Pater創立20年に際して酒蔵の私人セラーから直接放出される出品が並ぶ。最高額注目の27リットルは容量が大きいだけでなく、ワイン自体にも特異性がある。
出品概要と目玉アイテム
27リットル(当該は約36本分の750ml換算)のLiber Pater 2019が世界で1点のみ製造されたとして出品される。落札者には酒蔵のプライベート見学や年次ブレンド会議のConclave参加、招待ディナーなど特典が付く。
同じく注目の18リットル(約24本分)Liber Pater 2011は推定約6,022万8,000円〜約1億380,000円(元の価格300万〜500万香港ドル)で出品される。複数のコレクション箱「Seven Virtues / Seven Sins」もあり、1セットは推定約2,007万6,000円〜約3,011万4,000円(元の価格100万〜150万香港ドル)だ。
Liber Paterのワイン的特徴
Liber Paterの2019年は9種類のボルドー在来品種で造られ、すべて100%のfranc de pied(自根、未接ぎ木)葡萄から収穫された点が最大の特徴だ。ラベルにはモナコ公アルベール2世の署名があるという。
franc de piedは接ぎ木を行わない自根の葡萄樹を指す。19世紀末に猛威を振るった根瘤蚜(グレープ・フィノム)災害以前の香味を再現する試みとして、酒蔵はCastets、Mancin、Pardotte、Tarnay、Saint-Macaireなど、危機後にほぼ消滅した在来品種も再導入している。
生産方法と希少性の理由
Liber Paterの畑面積はわずか2.5ヘクタールで、高密度栽培と極めて低収量の管理を行う。耕作は馬とラバを用い、収穫は手作業で集中して3日以内に終える方式だ。
低介入主義を掲げ、野生酵母のみを使用し、二酸化硫黄を追加しない。近年は樽ではなく陶製の両耳瓶で熟成する年もある。結果として各ヴィンテージは約500本前後しか生産されず、良年に限ってのみリリースされる。
生産規模が高値を後押し
2006年以降、20年間で正式に世に出たヴィンテージは10年分にとどまる。畑規模と生産方針から供給は極めて限定的で、これがLiber Paterの高価格を支える要因になっている。
その他の出品と開催情報
今回の競売には27リットル以外にも、18リットルや複数年のセット、姉妹ラベルのDenarius 2019〜2020、さらにはパスケがギリシャ・ナクソス島で行う自根葡萄保全プロジェクトから生まれたTetradrachm 2021などが含まれる。

競売「Liber Pater Jubilee: 20 Years of Wine History in Motion」は11月21日に湾仔(ワンチャイ、香港島の地区)でBonhams Hong Kongが開催する。コレクターや投資家にとって、価格の注目度は高いが、Liber Paterの本質は希少性と歴史的味わいの再探求にある。
Liber Paterは近代の醸造技法で19世紀以前のボルドーの風味を問い直す試みだ。20年にわたり年産数百本規模で続けられたこの挑戦は、単に高値が付くワイン以上の意味を持つ。

